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イギリスの市場調査

 イギリスは世界でも有数の経済規模があり、ヨーロッパでも日本人や日系企業が多い国である。EU離脱による先行きの不透明感からGDPの成長は鈍化しているものの、失業率は低下し続けており、それに伴い個人消費額が増加していることや、不動産業や情報通信業、専門サービス業を中心とした三次産業が比較的順調に成長していることがプラス成長を維持している要因である。また近年はポンド安によりイギリスへの海外直接投資が以前より増加している点や、中国との貿易額が増大している点なども特徴として挙げられる。
 2020年時点ではイギリス経済に与えるEU離脱に関する影響は海外直接投資や貿易など対外向けに見られ、国内経済では個人消費の伸びが鈍化しているものの大きな影響は見られていない。しかし、EU離脱問題による先行きの不透明感は否定できず、日系企業に関しても、特に製造業での引き上げ傾向が見られる。また、実際にEUを離脱した際にどのような影響が出るかは過去に前例がなく、業種や状況などによって異なるため、タイムリーな状況把握が必要である。日系企業がイギリス進出を検討する際に、市場動向や製品・サービスのニーズ、参入企業の状況、流通チャネル、価格動向等の市場に関する情報の把握は不可欠である。また、業界によって、ニーズや課題は異なるため、業界動向調査・ニーズ調査をしっかり行うことが重要である。
 マーケティングリサーチの方法としては、インターネットで情報を収集することもできるが、インターネットだけでは得られない情報も多くあり、イギリスの市場を十分に理解するためには、現地企業や消費者へのヒアリングが必要な場合も多くある。
 グローバル マーケティング ラボは、50年以上の豊富な調査実績、イギリスを含む40か国以上の海外市場調査の実績を有し、基礎情報の収集からヒアリング調査まで良質な情報をご提供いたします。
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イギリスの基礎情報

【人口】6,643万5,600人(2018年推計:イギリス国家統計局)
【GDP】2兆8,810億ドル(2018年:世界銀行)
【一人当たりGDP】43,343.268ドル(2018年:世界銀行)
【通貨】ポンド
【面積】24万2,500㎢
【人種】白人86%、アジア系7.5%、黒人3.3%、その他3.2%
【宗教】 キリスト教59.5%, イスラム教 4.4%, ヒンドゥー教1.3%, その他2%, 特定の宗教は無し7.2%, 無宗教25.7% (2011 est.)
【言語】英語(地域によりスコットランド語、ウェールズ語、北アイルランド語など)

イギリスの経済と人口

 イギリスの2018年のGDPは2兆8,810億ドルで、世界第5位、ヨーロッパ地域でもドイツに次ぎ第2位の経済規模である。2008年―2009年は金融危機の影響もあり、名目GDPが2兆5,000億を下回る程度まで落ち込んだものの、それ以降は回復傾向で、2013年以降は年率2%程度の伸び率を記録しており、2018年には2兆8,800億ドルに達している。一人当たりのGDPも全体と同じように緩やかな成長傾向にあるが、全体のGDPの伸び率と比較してやや低い伸び率に留まっている。イギリスの失業率は2011年に8%を超えたが、その後減少が続き、2019年の失業率は約3.8%となっている。この間のGDPの成長は労働者人口の増加やインバウンドの観光客数が増加しており、それに伴うサービス業の成長が要因として考えられる。GDPの内訳は他の先進国と同じく個人消費が大きな割合を占めており、全体の60%以上となっている。次いで政府支出が約19%、投資支出が約17%である。2015年にEU離脱が国民投票で決定したものの、その後のGDPの成長率や失業率、個人消費額の推移を見ると、今のところ大きな影響は出ていない模様である。
 イギリスの人口は2010年には約6,280万人であったが、2018年の推計では約6,650万人に増加している。一方で出生率は低下し続けており、2018年には1.68であることから、この人口増加は移民によるものが大きく影響していると推定される。年代別の人口の構成比は、66歳以上の人口がやや増加しつつあるものの、全体として大きく変化はしていない。

イギリスの産業

 イギリスの経済を産業ごとのGDPでみると、2017年では、一次産業が約0.7%、二次産業が約19.5%、三次産業が約79.8%を占めている。2012年から2017年の間の二次産業のGDPの伸び率は約19%であったが、三次産業のGDPの伸び率は約27%の伸び率となっている。金額ベースで見ると、2017年の2次産業のGDPは2012年と比較して約600億ポンドの増加であったが、三次産業のGDPは3,080億ポンド増加しており、三次産業の成長がイギリスの経済全体に与える影響の大きさがうかがえる。
 2017年の各産業のGDPをさらに業種別にみると、二次産業のGDPの中では建設業の比率が約31%であり、製造業が69%である。2012年から2017年の間の建設業のGDPの伸び率は約27%に対して、製造業の伸び率は約16%である。また、三次産業のGDPの中では、配送・運輸・外食・ホテル業の比率が最も高く約21.8%、不動産業が約17.1%、専門サービス業が約16%となっている。2012年から2017年の間のGDPの伸び率では、不動産業が50%以上、情報通信業が約37%、専門サービス業が約34%と高い伸び率を記録している。一方で、配送・運輸・外食・ホテル業は約20%、金融・保険業は約11%の伸び率にとどまるなど、各業種によりばらつきが見られる。特に高い伸び率となった不動産業は、EU離脱問題を受けてのポンド安により、国外からの不動産投資が増加したことによる住宅価格の上昇の影響が大きいとみられる。また、インバウンドの観光客数、消費額ともに増加を継続しており、2010年から2019年の間に、年間の観光客数は約1,000万人、消費額は約100億ポンド増加している。
 イギリスへの海外直接投資額は年によってばらつきはあるものの、2010年から2015年までは150億ポンドから380億ポンドで推移していたが、2016年にEU離脱に向けての国民投票が行われると、約1,900億ポンドに急増した。この理由としては、ポンド安により投資しやすい環境であったことから、巨額の企業買収があったことがあげられる。2016年の大型の企業買収案件としては、アンハイザー・ブッシュ・インベブ(ベルギー)によるピルスナーやペローニなどのブランドを抱え、当時世界第2位のビール生産量だったSABミラーの買収(買収額:約710億ポンド)、ロイヤル・ダッジ・シェル(オランダ・米国)によるエネルギー関連企業のBGグループの買収(買収額:約540億ドル)、ソフトバンクグループ(日本)による情報通信関連企業のアームホールディングスの買収(約240億ポンド)、IHS(米国)による情報サービス関連企業のマークイットの買収(買収額:130億ドル超)などEU離脱後を見据えた戦略的な企業買収が活発であった。その後2017年はクアッドほか(オーストラリアなど)によるエネルギー関連企業のナショナルグリッドの買収(買収額:約134億ポンド)など750億ポンド、2018年はコムキャスト(米国)による衛星放送大手のスカイの買収(買収額:297億ポンド)など500億ポンドと、引き続きポンド安の影響で大型の企業買収案件が続いている。しかし、企業買収以外の対英への設備投資などはEU離脱問題の影響を不安視して鈍い動きとなっている。2018年の業種別の海外直接投資額を見ると、製造業では電子機器、三次産業では卸売・小売業で引揚超過となっている。なお、情報・通信業の海外直接投資が約380億ポンドとなっているが、これはスカイの買収が影響している。
 2017年時点でのイギリス国内に資産を持つ外国籍企業を地域別に資産の合計でみると、EU圏内が最も多く約5,700億ポンド、次いで北米が約3,650億ポンド、EU圏外のヨーロッパが1,700億ポンドなどとなっている。その一方で、イギリス政府はイギリス国内に資産を持つ外国籍企業の親会社まで辿った、地域別の資産の合計も公表しており、それによると、北米に籍を置く企業の資産が最も多くなり、次いでEU圏内、アジアと順位が変動する。

イギリスの貿易

 イギリスの2019年の輸出額は約3,650億ポンドで、輸入額は約5,390億ポンドと1,740億ポンド程度の貿易赤字を計上している。近年の傾向としては、輸出額、輸入額ともに増加傾向にあるものの1,500億ポンドの以上の貿易赤字を計上する年が増えている。国別では輸出入ともにアメリカ、ドイツ、フランス、オランダ、中国が上位5か国であり、輸出額はアメリカ、輸入額ではドイツがそれぞれトップとなっている。また、近年中国からの輸入額が年間平均11%程の伸び率を記録している。品目別ではStandard International Trade Classification(SITC)による分類で、輸出入ともに自動車、金、原動機、医薬品、石油・石油精製品などが金額ベースで上位の取扱品目となっている。ただし、近年の輸出額の増加は主にスコットランドで産出される金と石油・石油精製品の相場に影響されている側面があり、その他の製造業品の輸出額は微増にとどまっている。
 2019年の対日貿易は日本からの輸入額が約100億ポンド、輸出額が約65億ポンドで、近年は輸出入ともに増加傾向にあるものの、対日貿易は約40億から50億ポンドの貿易赤字が継続している。日本への主な輸出品目としては医薬品、自動車、原動機などで、日本からの主な輸入品は自動車、原動機、電気機器などである。

イギリスに進出した日系企業と在留邦人人口

 2018年時点で、日系企業のイギリス拠点数は966拠点で、2018年の在英邦人数は60,620人となっている。日系企業の拠点数はヨーロッパではドイツに次ぐ2位で、邦人数ではヨーロッパでトップであるものの、EU離脱問題が現実味を帯びてきた2015年以降、拠点数、邦人数ともに減少傾向にある。2018年の邦人数の対前年減少率は世界全体でワーストとなっており、また日系企業の2018年の拠点数も2014年比で約120拠点減少している。この減少傾向は製造業で顕著で、産業別の比較が可能な2017年の製造業の拠点数は358拠点であり、2014年と比べ約60拠点の減少となっている。また非製造業の2017年の拠点数は542拠点で2014年と比べ16拠点の減少にとどまっている。2017年の非製造業の拠点数の構成比は卸売・小売業が23%、金融・保険業が15%、運輸・郵便業が10%、情報通信業が9%などとなっている。
 イギリス全体での日系企業の拠点数は減少しているなかで、母数は少ないものの、スコットランドで日系企業の拠点数が2013年から2018年の間に約20拠点増加している。
 イギリスにおける日系企業の活動は、保険や情報通信、エネルギー分野などでイギリス企業の買収活動が特に活発に見られるものの、イギリス経済全体、特に製造業では日系企業の引き上げの動きが目立っている。今後の日系企業のイギリスでの企業活動は、EU離脱問題が製造業、非製造業ともにどのような影響を与えるのか、またGDPの成長が緩やかになる中で成長する産業・業種を見極めるなど、より高い戦略性が求められる。

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