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タイのニュース&トピックス:2024年9月前半


TMBタナチャート銀行の調査部門が2024年のペット市場が750億バーツに達すると予測(9月4日)

 TMBタナチャート銀行の調査部門であるttb analyticsによると、タイのペット市場は今年750億バーツに達すると予想しており、2023 年から 12.4% 増加する見込みであることを発表した。また、同報告によるとペットの健康市場が60億バーツ以上の価値を持つと予測している。
 同市場の主な成長要因は、ペットの飼育傾向の変化によるものである。現代の飼い主は、ペットを家族の一員・中心とみなすPet
Humanization(ペットの家族化)の傾向にある。この傾向により、ペットの飼育費が大幅に増加しており、ペット1匹あたりで平均約41,100
バーツ/年の飼育費用を必要としている。これは、放し飼いで飼育する場合の飼育費用の 年間平均金額7,745バーツ/匹の5倍の数値となる。
 タイのペット市場全体は、通常、年間平均10%で成長しているが、コロナ禍では、年間12~13%の高い成長率を見せ、2022年には16%に
達した。2023年は、通常時の成長率に戻り、10%の成長となった。なお直近の2024年は、約7~9%の成長が見込まれている。
 ARAK ANIMAL HEALTHCAREやi-Tail Corporationなどタイのペット事業者は、ペット市場の成長に伴い、今後は、動物病院・診療所、
ペットフードなどペット関連市場の拡大も見込まれるとの見解から、積極的な投資を進めるとしている。

スワンナプーム空港に新しい複合輸送センターを開設(9月6日)

 タイ空港公社(AOT)傘下で空港の地上サービスを手がけるAOT Ground Aviation Services社(以下AOTGA)は、スワンナプーム空港に
複合輸送センターを開設したことを発表した。
 AOTGAは、タイ空港公社(AOT)および関税局と協力し、4,872平方メートルの面積を有する同センターの開発に1億5,000万バーツを投資している。同センターは、トラック・鉄道等の陸上輸送、海上輸送、航空輸送など複数の輸送手段を統合することで、通関手続きを一箇所で行うことができる。またこれにより、タイが地域の物流ハブとして、CLMV諸国(カンボジア、ラオス、ミャンマー、ベトナム)の物資輸送を促進
することが期待されている。同センターの設立により、物流会社はコストを節約できるだけでなく、タイを地域の航空ハブにするという政府の取り組みも支援することができる。なお、同複合輸送センターの開設により、収益と貨物量は年間10~15%増加すると予想されており、2025年度で4~5万トンの貨物量、8,000万バーツの収益が見込まれるとしている。

 

 

タイ工業連盟が下半期に自動車の販売が回復する見込みを発表(9月10日)

 タイ工業連盟(FTI)は、低迷している国内の自動車販売が下半期に回復すると予測していることを発表した。
 2024年上半期の自動車の販売は、家計債務が高水準なことを受け、金融機関が不良債権(NPL)を懸念したことから、自動車ローンの承認
基準が厳格化したため、販売台数は大幅に減少した。7月時点での不良債権(NPL)は2,500億バーツで、前年同月比で29.7%増加している。
 1月から7月にかけての国内の自動車販売台数は、前年同期比23.7%減の354,421台となった。7月単月でも、販売台数は、前年比20.5%減の46,394台に落ちており、主な原因は、ピックアップトラックの販売不振による国内自動車販売全体の減少や自動車ローン利用の難化である。
 その一方で、同連盟は、銀行が自動車ローンの貸出基準を緩和する可能性が高く、これに伴い下半期の国内自動車市場も回復するとの見解を示している。また、各県による経済活性化を目的とした予算編成や、現政権(Paetongtarn Shinawatra government)による新たな経済対策など他の要因からも自動車産業が回復すると見込んでいる。

タイのソフトウェア部門の成長率が12.8%を達成(9月11日)

 デジタル経済振興庁(DEPA)およびIMC研究所が行った調査によると、タイ政府によるAI・データ分析・クラウドコンピューティング・
サイバーセキュリティなどの先進技術への投資により、タイのソフトウェア部門は、他の3つのデジタル部門(ハードウェア・スマートデバイス、デジタルサービス、デジタルコンテンツ)を上回り12.8%の成長を記録したことを発表した。同部門の市場価値は、2,150億バーツに達しており、2024年~2026年にかけて9~10%の成長率を維持すると予測されている。ソフトウェア、ハードウェア・スマートデバイス、デジタルサービス、デジタルコンテンツの4部門の市場価値は、新興技術、特にAI関連の需要の増加により、2026年までに2兆9,400億バーツに達すると予測されている。
 世界的に経済・政治情勢が不確実であるなかで、2023年のタイのデジタル業界は回復力があり、2022年と比較して3.88%成長し、市場規模は2兆200億バーツとなった。デジタルサービス部門は9.28%拡大して3,080億バーツとなり、ハードウェア・スマートデバイス部門は1.76%増の1兆4,600億バーツ、デジタルコンテンツは0.01%増の442億バーツとなった。なお、ハードウェア・スマートデバイス業界は、2024~2026年に11~16%の成長が見込まれているが、デジタルサービス部門は2024~2025年で13~14%増加した後、2026年に減少すると予想されて
いる。デジタルコンテンツは約3~5%の成長が見込まれている。ソフトウェア部門は、ソフトウェア市場とソフトウェアサービス市場があり、それぞれソフトウェア市場は814億バーツ、ソフトウェアサービスは1340億バーツに増加している。
 IMC研究所によると、消費者がさまざまな分野においてデジタルツールの普及に急速に適応し、デジタルサービスに対する需要が急増した
ことで、2023年のデジタル部門の成長が牽引されたとしている。

 

 

事業開発局が中小企業の電子商取引への移行を支援(9月14日)

 事業開発局(DBD)は、中小企業(SME)の電子商取引の導入を支援する取り組みを強化することを発表した。
 電子商取引市場は、2025年に7,500億バーツに達すると予想されている。タイの電子商取引市場は、企業登録数の大幅な増加と消費者の
インターネット経由での購入が加速化することにより、2023年の6,340億バーツから増加し、2024年には7,000億バーツ近くに達すると予想
されている。今年は7,393社の電子商取引企業が登録され、昨年の1,713企業から増加した。
 同局は、中小企業のスキルを高めるために様々な取り組みを行っており、その一つに、「Smart Trader Online」プログラムがある。同プログラムは、新世代の起業家にオンライン取引の知識を身につけてもらうことを目的としており、アフィリエイトマーケティングなどの最新の
マーケティングツールに重点が置かれている。
 同局は、電子商取引プラットフォームの「TikTokショップ」、「Shopee」、「Lazada」、「NocNoc」と連携し、起業家向けにオンラインマーケティングツールやテクニック、販売キャンペーンの実施、大手ブランドやクリエイターとの強力なネットワークの構築などのトレーニング、スキルアップサービスを提供しており、業績の向上に努めているとしている。

工業用地開発・運営大手のWHAが土地売却の目標を引き上げ(9月12日)

 SETの上場企業である工業用地開発・運営大手のWHA社は、今年の工業用地の販売目標を2,500ライ(1ライ=1,600平方メートル)に引き上げたことを発表した。
 同社の当初の目標は、2,400ライであったが、外国投資の増加と新事業を促進する政府の政策により販売目標を引き上げた。同社は、外国投資が増加した要因として、地政学的な紛争、貿易戦争の影響により、外国の実業家がタイを含むASEAN諸国に生産施設を移転することになったためとの見解を示している。また、東部経済回廊(EEC)における次世代自動車(特にEV)、スマートエレクトロニクスなどの「Sカーブ産業」を支援する政府の政策も、販売目標引き上げにおける重要な要素である。
 同社は、タイおよびベトナム両方で土地販売の拡大を目指しており、今年の上半期の同社の工業用地売却総量は1,042ライ(タイで979ライ、ベトナムで63ライ)であった。同社はタイで12カ所の工業団地を運営しており、既存の工業団地を拡張し、さらに9,430ライの新しい工業団地を建設する予定である。タイにおいてはWHA社が、同社の工業団地に工場を建設する投資家のために、ラヨーン県内の住宅地やコミュニティモールの開発に投資する予定である。ベトナムにおいては、工業団地プロジェクトとして、タンホア省の WHA スマートテクノロジー工業団地 1 の建設を推進している。

 

 

エネルギー複合企業のバンチャク社が事業拡張計画資金として1,200億バーツを準備(9月3日)

 エネルギー複合企業のバンチャック・コーポレーション社(以下バンチャック社)は、事業拡大と石油産業上流部門の資産買収に1,200億
バーツを投資することを発表した。
 同社は、2030年までにEBITDA(利払い前・税引き前・減価償却前利益)を1,000億バーツに増加させることを目指しており、同投資もそれに向けた取り組みである。現状、同社のEBITDAは2024年1月~6月までで260億バーツであり、2024年末には420億バーツに達する見込みで
ある。
 上記投資は、2025年~2030年にかけて同社の主要事業に割り当てる予定で、そのうち35%(420億バーツ)が石油探索・生産事業に充てられる。その他30%は石油精製・販売、25%はクリーン電力開発に、10%はバイオ関連事業に投資する予定である。
 同社の石油上流事業は現在、子会社のBCPR社が運営しており、すでにノルウェーに拠点を置く石油・ガス掘削会社のOkea ASA社に投資している。BCPR社は、今後、特にアジア太平洋地域で新たな石油・ガス事業を展開し、事業を拡大する予定である。
 バンチャック社は、石油生産において、2024年末で推定日量36~40キロバレル、2030年までに1日当たり最大100キロバレルの生産を目指している。同社は、バンコクのプラカノン地区とチョンブリー県のシラチャ地区にある石油精製所の生産能力を、日量266キロバレル(2024年時点)から2025年までに日量280キロバレルに引き上げる計画で、この他、プラカノン地区にある自社の製油所近辺では、使用済み食用油から持続可能な航空燃料を生産する計画である。

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