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タイのニュース&トピックス:2024年3月前半


財務省が仮想銀行ライセンスの申請基準を発表(3月6日)
 財務省は、3月4日、王室官報に仮想銀行ライセンスの申請基準を発表した。
 仮想銀行ライセンスの申請基準は、仮想銀行に対し、第一段階では少なくとも50億バーツ、第二段階では少なくとも100億バーツの
初期登録資本金でタイに本社を設立することを義務付けた。なお、ライセンス取得後は、5年間内に段階的に100億バーツまでの増資が可能
となる。
 仮想銀行は、定期収入のない人、中小企業、信用へのアクセスのない人、非公式の借金を抱えた人を中心に金融サービスを提供する。
 仮想銀行は商業銀行と同様に中央銀行によって規制されるが、預金保護庁によっても保護される。
 また、仮想銀行は国内外の他の金融機関と連携して預金システム、クレジットシステム、インターネットバンキングを利用することは
できない。
 仮想銀行の申請者は、3月20日から9月19日まで、必要な書類や情報とともに申請書を中央銀行に提出できる。承認を得た後、承認日から1年以内に事業を開始できるよう財務の安定性、IT システム、リスク管理を準備する必要がある。
 仮想銀行の推進は、タイを東南アジアの金融センターに押し上げ、国民の金融サービスへのアクセスを増やすことを目的とした、デジタル
経済の促進と金融インフラの開発という政府の政策と一致している。
 同省は、仮想銀行が今後、金融サービスの選択肢の1つとなり、デジタル経済への適応を加速し、金融システムの効率を高め、国の経済発展と成長に貢献するとしている。



貿易政策・戦略事務局(TPSO)が3月のインフレ率の低下見通しを発表(3月6日)
 貿易政策・戦略事務局(TPSO)は、3月のインフレ率が引き続き低下傾向を示し、第1四半期平均で0.7~0.8%低下するとの見通しを発表した。
 タイの2月の総合インフレ率は前年同月比で0.77%低下した。肉や生鮮野菜を中心とした生鮮食品価格の下落や、電気や燃料に対する政府の補助金政策により、5カ月連続の低下となった。
 燃料と電力に対する政府の補助金がそれぞれ4月19日と4月30日に終了するため、5月のインフレ率は上昇すると予想されている。
 今後、同局は、2024年の総合インフレ率がマイナス0.3%から1.7%、中間値が0.7%になると予想している。

タイ国家放送通信委員会が国内初のセルブロードキャストサービス(CBS)システムの試験運用を開始(3月6日)
 タイ国家放送通信委員会(NBTC)は、タイの大手通信事業者Advanced Info Service社(AIS)と共同で、携帯電話用緊急警報システムに
関して、国内初のセルブロードキャストサービス(CBS)システムの試験運用を開始したことを発表した。
 公共警報システムの確立は、様々な自然災害や暴力事件などから市民と観光客の安全を守ることを目的としている。
 このシステムは、SMS通信のように電話番号を必要とせず、アプリケーションのダウンロードも不要で、影響を受けているエリア全体で緊急情報を迅速かつ効率的に入手することができる。
 このシステムの初期の目標は達成しており、今後は国の既存の緊急警報システムと統合することにより効率的に拡大することを進めている。



商務省が今年の新規事業登録数の予測を発表(3月6日)
 商務省は、今年の新規事業登録数の予測を発表した。
 2024年1~2月の新規事業登録件数は、1.57%増の1万7,270件、登録資本金の合計は14.5%増の460億バーツとなった。業種登録件数の上位3位は「一般建設」「不動産」「飲食店」である。
 増加の要因は、景気の回復、コロナウイルス感染拡大後に再開した観光関連事業の増加、個人消費と輸出の拡大、政府のバイオ・循環・
グリーン経済モデルに沿った主要な公共インフラプロジェクトの実施によるものである。
 同省は、2024年第1四半期の新規企業登録件数は合計2万3,000~2万7,000件、通年の合計は5~15%増の9万~9万5000件になると予想
している。
 今年の1~2月で登録された新規電子商取引事業は合計479件で32%増加し、登録資本金は合計 5 億 5,500 万バーツで前年比 32.9% 増加
した。
 歳入省は、2024年1月1日より、電子プラットフォームに対し、オンライン販売者からの収益を報告するよう義務付けたため、今後はさらに
多くの電子商取引事業者が登録すると予想される。

世界銀行が今年のタイの経済成長予測を下方修正(3月7日)
 世界銀行は財政支出の遅れと外部リスクを反映して今年のタイの経済成長予測を下方修正したことを発表した。
 世界銀行は2023年12月に、2024年のタイのGDP成長率見通しを3.5%から3.2%に下方修正した。
 タイの輸出は改善の兆しを示しているものの、期待された水準にはまだ回復しておらず、多くの国で進行中の景気減速と貿易摩擦により、
今年の見通しは悪くなる可能性が高い。 一方、地政学的状況を考慮するとインフレが進み、原油価格が上昇する可能性があるとしている。



タイ商務省がタイをデジタルコンテンツ産業の拠点として推進(3月12日)
 タイ商務省は約2,500億バーツの収益を生み出すため、タイをデジタルコンテンツ産業の拠点として推進しており、前年比15~20%の成長を目指していることを発表した。
 映画は政府が輸出を促進しているデジタルコンテンツ産業の1つである。185億バーツの収益を上げており、主要市場でさらなる成長が
見込まれている。また、政府は外国映画制作チームを支援することで、外国映画製作者がタイを撮影場所として利用することを奨励している。
 2024年のデジタルコンテンツ産業は、昨年比15~20%増加し、2,500億バーツに達すると予想されている。その内訳は映画産業が180億
バーツ、アニメーション産業が40億バーツ、キャラクター部門が20億バーツ 、ゲーム部門が350 億バーツ、ソフトウェア部門が1,910億
バーツである。
 コロナウイルス拡大後のアニメーションおよびキャラクター部門の需要の回復は、ゲーム分野の需要の増加とともに、業界の価値を高めると
予想されている。

ソンクラーン祭り期間に外国人旅行者51万人、国内旅行者429万人が訪れると見込み(3月13日)
 タイ観光局(TAT)によると、水かけ祭りとして知られているソンクラーン祭りが行われる5日間で、外国人旅行者51万人、国内旅行者429万人が訪れ、その収益は244億バーツになるとの予測を発表した。
 タイ政府は、全国各県でソンクラーン祭りを開催するため、観光・スポーツ省、内務省、文化省の3省に1億3,000万バーツを割り当てた。
 なお、3月10日の時点で、今年の外国人観光客到着者数は740万人に達し、3,590億バーツ以上を生み出した。中国からの訪問者が最も136万人、次いでマレーシアからの訪問者が98万人、ロシアからの訪問者が49万人となった。



タイのスマートフォン市場が3%成長すると予測(3月14日)

 調査会社カCounterpoint社は、タイのスマートフォン市場が、買い替えや先進技術機能によって2024年に3%成長するとの予測を発表した。
 同社によると、2023年のタイのスマートフォン市場は、他の東南アジア市場が減少する中、前年比 2% 増加した。これは、
格安スマートフォンセグメントの業績が好調だったためである。
 タイにおいて、5G ネットワークのサービス範囲は拡大し続けており、別の新しい周波数帯を展開するという通信規制当局の取り組みにより、国内での高速データ速度に対する需要が高まっている。
 多くの 5G スマートフォンが低価格で入手できるようになったため、携帯電話メーカー会社は顧客に5G への切り替えを奨励している。
 さらに、デジタル変革を加速するという政府の取り組みによって、デジタル化するライフスタイルに伴い、より信頼性の高い携帯電話の需要が高まることが予測さる。

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