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タイのニュース&トピックス:2024年1月前半


今年の果物輸出は4%増加する見通し(1月4日)
 商務省は今年、生鮮および加工果物の輸出量を4%増加することを目指していることを発表した。
 この増加量は、419万トン、3,000億バーツになると予想されている。生鮮果物だけの輸出量は、4%増の210万トン、金額は5%増の1,750億バーツになる。主要市場は、総輸出量の75%を占める中国、次にアメリカ、マレーシア、香港である。同省のデータによると、タイは、
昨年1~11月で2,840億バーツ相当の生鮮および加工果物を輸出した。生鮮果物の輸出は、前年比27%増の1,780億バーツ、
冷凍・ドライフルーツは、25.2%増の501億バーツ、加工果物は、10.4%減の563億バーツとなった。
 目標を達成するために、同省はGAP(Good Agricultural Practices)認証を取得した農場を120,000カ所まで増やし、32万トンのドリアン、竜眼、マンゴの加工を推進する予定である。また、国内市場戦略も推進する予定しており、タイの果物を近隣諸国に輸出するためのイベントを行うことなどの海外市場戦略も計画している。

長城汽車(GWM)は、新工場で電気自動車の成長を目指す(1月13日)
 中国自動車メーカーの長城汽車社(GWM)は、東南アジアでの電気自動車(以下EV)事業の成長を目指し、今月からタイ現地生産のEVの
販売を開始する予定であることを発表した。
 同社は、3年前にタイ市場に参入している。2020年にEV生産施設と再生可能エネルギー開発に220億バーツを投資すると発表しており、
2021年から2023年にかけて、タイや東南アジアへの進出に伴い、9車種のEVを発売している。タイ国内外での累計自動車販売台数は140万台
である。
 また、同社は、政府のEVインセンティブパッケージに参加している。同パッケージは、2022年~2023年のEVの消費と生産を促進する
ために、減税と補助金を提供しており、参加企業は2024年からタイでEV生産を開始する。現在、ラヨーン工場の年間総生産能力は120,000台
であり、先ずは年間8万台の自動車生産を目標としている。



工業省がリチウムをタイ南部のパンガ県で発見(1月4日)
 工業省は、タイ南部のパンガ県でリチウムのさらなる調査を実施することを発表した。
 初期調査では、一部の地域に電気自動車(以下EV)用のリチウムイオン電池の製造に使用できる元素が存在する可能性があることが
分かった。パンガ県タクアトゥン区ルアンキエト地域の探査で、レピドライトが発見された。レピドライトはリチウムが豊富な雲母鉱物で、
通常花崗岩のペグマタイト中に形成される。
 工業省基盤工業・鉱業局は、ルアンキエト地域を鉱山に開発できると考え、タクアトゥン区の3地域をリチウムを探査するための特別許可を
付与した。
 政府は、リチウムを利用してEV産業を支援し、タイを製造業者にとってより魅力的な投資先にすることを期待している。

物品税局が新たなグリーンタックス(環境税)措置を検討(1月8日)
 物品税局は今年、環境と社会のための4つの税制措置を実施する予定であることを発表した。
 4つの措置には、①バッテリー電気自動車(BEVs)の使用支援、②エネルギー、運輸産業部門に対する炭素税の提案、③バイオプラスチックの生産におけるエタノールの使用支援、④高齢者や障害者を支援するための特定の車の使用支援のことである。また、リサイクル可能な
バッテリーに関連する措置も検討している。
 政府は、2030年までにタイで全車両生産量の約30%に相当する60万~70万台のBEVsを生産することを目標としている。その結果、
60~70万のBEVsバッテリーが使用後に廃棄されることとなる。
 物品税局は、現在バッテリーに対して8%の物品税を徴収しているが、エネルギー効率に応じて税率が1%、3%、5%に引き下げられる可能性があるという。
 また、物品税局は、BEVsバッテリーの追跡システムの開発を計画している。他国の成功事例を研究しており、バッテリーの保証金返金制度も選択肢の一つとなっている。具体的には、消費者はバッテリーを購入する際に保証金を支払い、期限切れバッテリーをリサイクルするために
BEVsメーカーに引き渡す際に保証金が返還される。また、同局が検討している別の方法は、BEVsメーカーの代わりにバッテリーリサイクルの仲介業者や企業にリサイクルを委託することである。
 COP26会議で、タイは2050年までに温室効果ガス(以下GHG)をネットゼロにする最終目標を掲げ、2030年までにGHGを40%削減する
計画を発表した。
 物品税局はタイの環境目標達成を支援するために炭素税を課したいとも考え、この課税により、より多くの企業がよりクリーンなエネルギーや再生可能エネルギーを使用し、二酸化炭素排出量を最大30% 削減することが奨励されるとしている。

Ubon bio Ethanol社が機能性表示食品に進出(1月13日)
 タイ最大級のキャッサバ原料のエタノールメーカーであるUbon bio Ethanol社は、機能性表示食品事業への進出を検討していることを発表
した。
 機能性表示食品は、栄養素とエネルギーを提供するだけではなく、体内の機能を整理して特定の病気の発症リスクを軽減するなどの機能を
有している。
 同社はチュラロンコン大学の専門家と協力して酵素を利用した小麦粉製品を開発している。その一例としては、新しいタイプの小麦である。通常、小麦粉には繊維が豊富に含まれているため、人によっては消化が困難になることがある。特定の酵素の助けにより、小麦粉がより簡単に消化され、繊維の利点も維持される。同社は、今後5年間に酵素のノウハウを活用して、食品およびエネルギー業界で使用される製品の原料の
開発を行っていく予定である。
 同社は数年以内に食品事業の利益を2023年の総EBITDAの30%から70%に増やすことを目指すとしている。



NBTCは高齢者向けのヘルスケアスマートウォッチを開発(1月10日)
 タイ国家放送通信委員会(NBTC)は、高齢者向けの健康モニタリングスマートウォッチの原型を完成したことを発表した。
 NBTCは、コンケン大学が開発した5Gデジタル健康イノベーションプロジェクトに1,500万バーツの資金を提供した。同プロジェクトは、
福利厚生の一環として高齢者がデジタル技術を利用することにより予防医療の推進を目指している。
 スマートウォッチの機能は、脈拍数、血糖値、血圧、酸素化率などの基本的な健康状態のモニタリングである。今回、スマートウォッチ100個が試用のためにランパーン県、コンケン県、アユタヤ県、ソンクラー県の対象地域の高齢者とその家族に配布される予定である。
同プロジェクトの第1フェーズは、2023年から2024半ばの予定としている。

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