インドネシアのニュース&トピックス:2023年11月前半
政府がパーム油植え替え目標達成のため6.1兆ルピアの予算を準備(11月2日)
政府は、今年18万ヘクタールの小規模パーム油(PSR)の植え替え目標を達成する為、3億8,600万米ドル、6兆1,000億ルピア相当の予算を準備していることを発表した。
パーム油は植物油の需要増加を満たすための持続可能かつ効率的な方法であり、持続可能な航空燃料のような、より環境に優しい輸送用燃料の供給もサポートする。PSRプログラムは国内の粗パーム油生産を増加させるために実施される。
インドネシアは2007年以降、20万ヘクタールのパーム油の植え替えを行っており、今年は3億8,600万米ドルの予算で18万ヘクタールの植え替えを行う予定である。なお、パーム油プランテーション基金管理局(BPDPKS)は、PSRプロセスを開始する農家を支援するため、1ヘクタールあたり3,000万ルピアの予算を用意するとしている。
MIND IDが製錬グレード・アルミナ精製所プロジェクトの建設を加速(11月2日)
インドネシア国営鉱業持株会社であるマイニング・インダストリー・インドネシア(MIND ID)は、西カリマンタン州メンパワにおける製錬グレード・アルミナ精製所(SGAR)プロジェクトを加速させていることを発表した。このプロジェクトにより、国産のボーキサイトをアルミナに加工し、さらにアルミニウムに加工することができる。
このプロジェクトは、MIND IDメンバーのInalum社の子会社であるBorneo Alumina Indonesia (BAI)が所有し、China Aluminium International Engineering社と国営企業のPembangunan Perumahan社のコンソーシアムが請け負う。総工費は8億3,100万米ドルである。
SGARは、西カリマンタンのボーキサイト鉱石採掘場と Inalum社のアルミニウム製錬所を結ぶサプライチェーンリンクとなることを目的としている。
今後、同精製所は、年間330万トンのボーキサイトを原料として、年間100万トンのアルミナを生産する予定である。2024年第4四半期に最初のアルミナの生産を開始し、2025年第1四半期にフル稼働することを目標としている。将来、インドネシアはボーキサイトからアルミニウムへの加工を自前で行えるようになり、他国に依存する必要がなくなるとしている。
Badak LNG社が940万米ドルを投資してLPBS施設を建設(11月4日)
Badak LNG社は、LPG生産ブースターシステム(LPBS)施設を建設するために940万米ドルの投資を予算化した。LPBSの導入により、LPG生産量を323%増加させることができると見込まれる。
Badak LNG社によると、LPBSから生み出される推定利益は、2022年から2027年の期間で9,200万米ドルとなる。合計113,744トンのLPGを生産することができ、そのうち70%は販売用、残りの30%は売買契約の仕様を満たすためにLPG再圧入として使用される。
ジョコウィ大統領がASEAN最大の浮体式太陽光発電所の落成式に参加(11月9日)
ジョコ・ウィドド(ジョコウィ)大統領は11月9日に西ジャワのチラタ浮体式太陽光発電所(PLTS)の落成式を行った。
同発電所の発電容量は192メガワットピーク(MWp)で、東南アジアにおいて最大であり、今後開発されれば、1,000MWpの容量まで最大化することができる。
チラタ浮体式太陽光発電所は、西ジャワ州のチラタ貯水池に建設され、エネルギー鉱物資源省、国有企業省、国営電力会社のPerusahaan Listrik Negara社、およびUAEのマスダール社の協力によって完成した。
Bumi Resources Minerals社が中央スラウェシで金鉱石の採掘を最適化(11月12日)
Bumi Resources Minerals社(BRMS)は、中央スラウェシにあるポボヤ鉱山における新たな金の埋蔵量と資源の採掘を最適化する準備ができたことを発表した。
金鉱石の採掘量が、以前の2,280万トンの鉱石から38%増加し、3,150万トンとなった。平均金品位は2.4g/tである。これによりポボヤ鉱山の生産寿命も長くなる。
Sterilyn Halal International社がフィリピンとブルネイに進出(11月14日)
Zepaブランドの家畜用健康食品を扱うSterilyn Halal International社は、フィリピンとブルネイのビジネスパートナーと提携し、東南アジア市場に進出することを発表した。
フィリピンでは、Palawan Island Philippines Ventures And Development CorporationおよびAssociation of JCI Senators in the South East Asian Nationsと協力している。一方、ブルネイでは、Riza Fudhlana Farmingとのパートナーシップを確立した。これにより、フィリピンにはNexBio、Zepa、Ecosterilynブランドの家畜衛生製品を輸出し、ブルネイには家畜健康食品や衛生製品を輸出する予定である。
両国の現地企業との戦略的パートナーシップにより、今後製品の普及が加速することが期待されている。
プルタミナとExxonMobilが炭素貯留ハブの開発を検討(11月14日)
プルタミナ社は、インドネシアの脱炭素化プログラムの一環として、ジャワ海における炭素貯留(CCS)の開発を米国のエネルギー企業であるExxonMobil社と協定を締結した。
今回の協定で、プルタミナ社とExxonMobil社は、ジャワ海西部、特にアスリ盆地とスンダ盆地におけるCCSハブの調査のための協力を継続することに合意した。この場所におけるCCSハブは、国内および地域の産業からCO2を回収・注入できる大量の地中貯留が期待されている。
プルタミナ社によると、同プロジェクトは炭素集約型産業から排出される少なくとも3ギガトンの二酸化炭素(CO2)を塩水帯水層の地中貯留で貯留できるとしている。