インドネシアのニュース&トピックス:2023年9月後半
Chandra Asri Petrochemical社が太陽光発電所の開発事業に参入(9月16日)
石油化学大手のChandra Asri Petrochemical社は、新再生可能エネルギーソリューションを提供する取り組みとして、インフラに携わる子会社のKrakatau Daya Listrik 社を通じて、太陽光発電所(PLTS)開発事業を展開している。
同社はこれまでに製造業および小売業を含む様々な顧客のプロジェクトにおいて、総再生可能エネルギー電力容量958kWpの太陽光パネルの設置しており、2023年末までに3 MWpに達することを目標として設定している。
CCSI Konektivitas Digital社、Pracheta Nusa Telekom社、三井物産がVaruna海底ケーブルネットワークを構築に向けた合弁事業の契約を締結(9月16日)
Communication Cable Systems Indonesia社 の子会社であるCCSI Konektivitas Digital社、NAP Info Lintas Nusa社の子会社であるPracheta Nusa Telekom社及び三井物産の3社は、インドネシアの主要な島々を結ぶVaruna海底ケーブルネットワークを構築するための合弁事業契約を締結したと発表した。
この構想は、Varuna Cable Systemsと名付けられた4,100kmの島嶼間海底ケーブルネットワークの開発を目指している。ケーブルネットワークは、ジャワ島、バリ島、ロンボク島、ラブアンバジョ島、スラウェシ島、カリマンタン島、マドゥラ島といったインドネシアの主要な島々を結んでおり、2,700kmの海底ケーブルと1,400kmの陸上ケーブルで構成され、インドネシアの新しい首都イブ・コタ・ヌサンタラ(Ibu Kota Nusantara)へのデジタル接続を提供する上で重要な役割を果たす。
VinFast社がインドネシアに電気自動車工場の建設を計画(9月19日)
ベトナムの電気自動車メーカーVinFast社は、インドネシアへ市場を拡大する一環として電気自動車工場の建設を計画している。
米国証券取引所によると、VinFast社は長期的にインドネシア市場に総額で約12億米ドル(18兆3600億ルピア)を投資する予定であり、そのうちの2億米ドル(3兆600億ルピア)相当をインドネシアにおける工場の建設に割り当てる。
同社の進出は、雇用の増加、インドネシアにおける電気自動車のエコシステムの開発の支援というメリットがある。さらに、インドネシアで生産された電気自動車が他国に輸出されれば、輸出増加に伴い、インドネシアが世界で注目される電気自動車の生産拠点として位置づけることにつながる。
Lenzing Groupがエコファイバーの開発に2兆ルピアを投資(9月21日)
植物由来の特殊繊維メーカーであるLenzing Groupは、環境に優しい繊維製品「Ecovero」を生産できるよう、South Pacific Viscose社(SPV)に最大100万ユーロ(2兆ルピア)を投資した。
Ecoveroは、循環型経済を実践する自然素材のビスコース繊維であり、生産には再生可能エネルギーを使用し、廃棄物汚染を最小限に抑えるなど、環境負荷が少ないプロセスで行われる。
SPVによると、この繊維製品は、国内の繊維・繊維製品産業の成長につながるような付加価値を提供する。国内で初めて生産されたEcovero製品は、廃棄物を最小限に抑えるビジネスモデルを実施し始めた輸出市場向けを想定しているが、国内の注文も受け付けているとのことである。
Perusahaan Gas Negara社、日揮、大阪ガス、INPEXが南スマトラでバイオメタン・プロジェクトの詳細調査を開始(9月25日)
Pertamina Gas Negara社の子会社であるPerusahaan Gas Negara社(PGN)、日揮ホールディングス(JGC)、大阪ガス、INPEX社は、インドネシアにおけるパーム油工場排水(Palm Oil Mill Effluent: POME)由来のバイオメタン商業化に関する詳細調査を開始した。2025年までに南スマトラでバイオメタン生産が開始されることを想定し、サプライチェーン、バイオメタン生産、供給の技術的評価を行う。
パーム油の生産は、有機物を多く含むPOMEと大量のメタンを排出する。製造工程において、POMEから大気中に放出されるメタンガスを回収し、バイオメタンガスに精製し、天然ガスパイプラインやその他の既存のインフラを通じてインドネシア国内の顧客、Pertamina Groupと今回のパートナーである日揮、大阪ガス、INPEXに供給する。
将来的には、バイオメタンを液化したバイオ液体天然ガス(LNG)を船舶の燃料としての供給や、日本等へのバイオLNGの輸出も検討している。
Perkebunan Nusantara (PTPN) V社が20,000トンの粗パーム油(CPO)を輸出(9月27日)
Perkebunan Nusantara(PTPN) V社は、2023年1~9月に20,000トンの粗パーム油(CPO)を輸出し、1,822万米ドルの外貨を獲得した。同社はとくに多くのヨーロッパ諸国およびインドにCPOを輸出している。
PTPN V社は過去4年間プラス成長を続けた業績向上に伴い、2023年初頭よりCPOの輸出を開始した。最初のCPOの出荷は2023年1月に4,000トンで行われ、その後、3月にイタリア向けに6,000トン、8月末にインド向けに4,000トン、さらに9月中旬には6,000トンのCPOをインドに出荷した。同社は、今年一年を通して、最大36,000トンのCPOを世界各国に出荷することを目標としている。
但し、PTPN V社は輸出の拡大に取り組んでいるものの、国内のCPOニーズを満たすことを優先している。PTPN V社の年間CPO生産量57万トンのうち、海外に出荷されるのは6%であり、残りの94%は国内の食料安全保障の充足と強化に割り当てられている。