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カナダで洗髪した際の悩みごと…。水の「質」の違い


生活用水としての「硬水」と「軟水」
 普段暮らしている中で使っている水の「質」について意識することはないが、海外に行き、シャンプーで髪を洗い、泡をすすいだ際に髪の毛の触り心地がいつもと違うと感じた事のある人は多いのではないか。その違和感は、日本と海外の水質の差から生まれる。
 水は「硬度」によって、硬水・軟水の2種類に分けられる。「硬度」とは、水の中にカルシウム・マグネシウムがどれだけ含まれているかという事で、その水が硬水なのか軟水なのかを決める基準でもある。日本で生活用水として主に使われているのは、「軟水」であるが、海外では「硬水」が主流である。カナダでも、「硬水」が使われている。
 では、「硬水」と「軟水」では生活用水として使用感にどのような差が出るのだろうか。
飲み水としてそれぞれの水を比べてみると、「硬水」はミネラル分を多く含むため、便秘解消に繋がる事があるが、胃腸の弱い人にとってはお腹を壊す原因ともなり得る。そして、「軟水」に比べ、味にクセがあり、飲みごたえを感じられる点も特徴として挙げられる。一方、「軟水」は「硬水」と比べクセがなく、料理やお茶を入れる際に味の邪魔にならない点が特徴である。
 また、入浴の際使用する水としてそれぞれの水を比べてみると、「硬水」は石鹸やシャンプーとの相性が悪く泡立ちにくい上、ミネラル分が髪や肌に良くないため、乾燥を招く原因となる。一方、「軟水」は肌や髪に優しいため、入浴時に使用していて特に問題に感じる事はない。

洗うたびに乾燥していく髪と肌
 日本と海外の水質の差において、筆者がカナダに住んでいた際に不自由に感じたのが、硬水のシャワーを浴びる度に髪や肌が乾燥していく事であった。髪や肌が乾燥していると気づいてからは、コンディショナーを多めに使用する・保湿クリームを塗るなどの乾燥対策を行っていたのだが、結局帰国するまで髪・肌の状態が改善されることはなかった。日本では、乾燥に悩んだ事は一切なかったため、「硬水」の影響であったと考えられる。
 一般的に、日本を含むアジア系の人々の髪の毛は太く硬いと知られている。そのため、アジア系の人々が「硬水」を使用して洗髪すると乾燥により硬さが増し、良い髪質とは言えない状態になってしまう。それでは、細く柔らかい髪質である欧米の人々は、「硬水」を使用し洗髪すると、髪が上手くまとまるようになるのだろうか?
 「毎日洗うと髪の毛がパサパサになるから、3日~1週間に1度くらいしか洗わない。」と話すカナダ人女性に会ったことがある。綺麗好きで毎日髪を洗うという日本人に比べ、他国では髪を洗わない日もある人が多いのはよく聞く話だが、それは綺麗好き度合の差だけが要因なのではなく、水質によって起こる髪や肌へのダメージも関係している。髪質に違いがある事を踏まえても、乾燥について悩むのは、硬水に慣れていない日本人だけというわけではなさそうだ。

効果のある乾燥対策は…?
 では、髪の毛の乾燥に悩んでいる欧米の人々はどんな対策をしているのだろうか?美容情報を載せている海外のウェブサイトを覗いてみると、髪の毛の乾燥に悩む女性向けの情報を見ることが出来る。どのウェブサイトを覗いても必ずと言って良いほど書かれていたのが、「シャンプーのしすぎは良くない」という事だ。つまり、乾燥が悩みである故に洗髪の回数を減らす女性は少なくない様だ。
 カナダのヘアケア用品などといったスキンケア市場は、多くが輸入品で成り立っており、その中でもアメリカからの輸入品が多い。「M·A·C」や「Bite Beauty」といったカナダのオンタリオ州にあるトロント発祥の有名なコスメメーカーもあるが、カナダの市場全体をみると、アメリカを中心とする様々な国とカナダ、それぞれがブランドを持ち、競い合っていると言える。
 筆者は、あるアメリカ製のシャンプーを使っていたのだが、前述したように、髪の毛の乾燥に悩まされていたり、カナダ人も同じ悩みを抱えていたことから、乾燥に効果的である製品が少ないのではないだろうか。
こういったことから、泡立ちだけではなく、しっとりした使用感という点で「硬水」と相性の良いシャンプーや石鹸、若しくは硬水を使用していても肌の乾燥が気にならなくなる保湿製品があったら、喜ぶ人が大勢いるのではないか…と考える。


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